第3回研鑽会 2014年6月7日

利き手と,利き手ではない手による筆記実験

筆記具はボールペンを使用し,鑑定を行うことの多い,漢字・平仮名・算用数字について,書字行動の常同性の有無について実験しました。執筆する文書は,事前に練習などができないように,当日,参加者の協議で決め,縦書きで参加者1周,横書きで参加者1周とするなど,「慣れ」が発生しないように工夫がなされ,全員分をビデオ撮影しました。
実験から,利き手ではない手での執筆は,震えなどが見られ,終筆部の「はね」や,「代」字5画の点画の送筆方向が,利き手とは逆になる傾向が現われました。
また,ボールペンに起こるインク溜りが,利き手とは逆の位置に表れました。

第3回研鑽会 2014年6月7日「利き手と,利き手ではない手による筆記実験」

偽造の方法を検証する

齋藤健吾氏が,齋藤保氏の自筆署名を使用して,偽造について一般的に思料される「臨書」・「透写」・「透写による下書きを清書する」の3方法を使用して,偽造署名を作成し,保氏の自筆署名と混同させ,各鑑定人において,この真贋を見分け,偽造方法を探る実験を行いました。なお健吾氏は,事前に偽造の練習などは行わず,いわば「突発的に署名を偽造した。」状態に近い環境で,実験を開始しています。結果として,保氏の真筆を発見することは容易でしたが,偽造方法を見分けることは困難でした。保氏の真筆を発見できた手掛かりは,筆記時の個性や,筆圧の違いが主な要因となりました。

参加者:天野瑞明,齋藤保,田村真樹,齋藤健吾,他2名(敬称略)