第14回研鑽会 2016年8月20日

筆跡鑑定における確率計算と統計学について

高崎仁良氏に,確率計算と統計学についてご教授いただきました。まずは,高校数学レベルからとなり,各会員の身長・体重のデータをサンプルとして,相関係数の演習問題を行った。全体の講義内容は以下のとおり。

  1. 階乗
  2. 順列
  3. 組合せ
  4. 母集団平均
  5. 共分散
  6. 2値データの相関係数

講義には以下の話題にも触れられました。

  • 確率計算は数学の分野であるが,統計学は確率計算を応用した別の学問である。
  • 数学は答えが正確に導き出されるが,統計学はある程度の信頼性がある答えが導き出されるが,100%正確なものではない。
  • 相関係数は2つの事柄の相関関係を導き出すものであるから,筆跡鑑定に応用できる可能性がある。

※ 統計学の受講は,継続してご教授いただきたい内容であり,今後は,齋藤保氏の指紋鑑定基準を題材にしてはどうか。という意見も上がりました。

鑑定方法及び,鑑定技術の認定会議

会則第7条(3)に則り,天野瑞明会長からの申請に対する認定会議を行いました。申請内容は以下のとおり。

筆跡鑑定に係る比較分析の手段とその方法

① 文字形態に関する事項

文字の種類・書体・文字の姿勢・文字の安定度など,4つの観点に基づき,文字形態の観察を行う。

② 送筆,運筆に関する事項

運筆・筆速・筆勢・起筆・収筆(終筆)・転折・筆意・筆脈・文字列・緩急抑揚・布置取りの配字・連綿・震え,波状線・癖字など,14項目の観点に基づき,送筆画の流れの観察を行う。

③ 筆圧に関する事項

筆圧についての観察を行う。また,実験を通して検証し,観察のポイントとする。

④ その他

接画交叉・折木状態・文字間隔・気宇・執筆心理・模書(偽筆・臨書・背臨)・恒常性・稀少性の,大別して8項目の観察を行う。

⑤ 補足事項

執筆時期・資料の性質・点画・濁点・半濁点・句点・読点・縦横画・送り仮名・旧漢字・旧仮名・変体仮名・達筆度・自運・筆具・図形や自己流の送筆画の表現・相同性・相異性・接画開と接画閉など,19項目の観点に基づき,送筆画の細部を観察する。

※天野瑞明氏は,数十年前から鑑定実務に採用しており,既知の事実でもあるが,改めて「鑑定方法」として申請を行った。

以上は全て認定されました。

参加者:天野瑞明,斎藤保,高崎仁良,田村真樹,齋藤健吾,他1名(敬称略)

第14回研鑽会 2016年8月20日